ローズ

梱包用資材が不足してきたのと、恒例のアドベントカレンダー用に中身やら袋やらを用意するのに(中学生になったのにまだやるんかい!)、浅草橋蔵前界隈まで買い出しに出ることにした。

ともちゃんも平日休みだったので、付き合ってもらった。

ペリカンカフェでお昼を食べ、買い物を色々と済ませてから、ゴーフレットを買い食いしたりした。毎週火曜はコストコに買い出しに行く日なので、帰りに川崎店に寄ることにする。ともちゃんが絨毯を買うというので、そのあとイケアにもまわりたい。

そんなわけで結構駆け足だったのだけど。どこかで軽くお茶するか否かで迷った末に、「せっかくこのタイミングで都内に出たのだし、やはり閉まる前に一度ローズベーカリーに寄っておこう」という話になり、丸の内に立ち寄った。



ちょうど仲通りにイルミネーションが点灯したところ。丸ビルのツリーがいつも綺麗なのに、今年はなんかすっごい微妙なやつだった。KITTEも前の方が良かったと思う。ニュースでしか見てないけど。

この界隈は、なんだかちょっと元気がない。・・今はもはやどこも元気じゃないけども。

なぜかベンチにこの人がいた。



リーチマイケル像・・。てらてらと光っていて、なかなかうまく写真が撮れなかった!

この通りは、毎年秋冬に来ることが多い。友達が遠方から来たり、去年までは毎年11月のLEE編集部のパーティーもあったからなあ。


この通りに集まるときは、皆とっときのバッグや、かっこいい靴や、買ったばかりのセーターや、素敵なトレンチコートに身を包んでいるのだった・・。そんで、ウィンドウショッピングのつもりが、うっかり散財しちゃったりするの。

薄着で来て寒いからとか言ってストールを買ったり、おしゃれのために履いてたヒールが痛くなってスニーカーを衝動買いしたりする人がいたなあ!(笑)

懐かしい。ほんの5年くらい前の話なのに、もう戻れない。せつない。


ほんのちょっとの間、おしゃれをした幾多の友人たちの幻が通りに現れて、消えた。

私たちだけが残った。



今週末で、一旦全部のお店が閉まるらしい。もちろん、予想もしていなかったことではあるんだけども、こないだ伊勢丹のお店に行ったときに、ちょっとだけ予感はあったかもしれない。

行ったことのある人は店の造りを知っているだろうけど、たくさんの買い物客が常に行き交う伊勢丹の、そう広くもない通路沿いに、かなりオープンな形で存在する店なのだ。

目の前を通っていくおしゃれな人たちや、向かいのトゥモローランドの陳列をぼうっと眺めてると楽しかった・・・。が、明らかにこのコロナのご時世には向いていないつくりだった。

今後はカフェもなんもかんも、全部がクローズドでしっかりパーソナルスペースごとに区切られた、狭っ苦しい店ばかりになってしまうのかしら。


それにしても、銀座や丸の内はそんな造りでもないのに。いったん閉めるってことは、やはり経営状態がよろしくないんだろうか。悲しいな。美々卯がなくなったときも辛かったが、同じくらいせつない。



丸の内店だけは、一応現時点では、改装して来年戻ってくる予定にはなってるらしい。形は変わっても、ここに残ってくれればもう満足だ。どうにか持ちこたえて欲しい・・!



私たちがいた窓辺の席を、出て外から撮った。コーヒーがしみじみと美味しかったなあ。



・・・・・・・・・


 *今週の押しピン* 

 脳内の壁に刺さった瑣末な話題やささやかな出来事についてのメモです。  


・命の洗濯場にて・・の話(その1)


私には悪癖がある。カフェとか行列などで、わりと近くに複数の人がいるとき、会話がすごく気になって聞き入ってしまうのだ。

特に、お風呂では皆開放的になるらしく、スーパー銭湯や岩盤浴などでは、けっこう声高に会話を繰り広げている人がいる。世間話だったり、買い物の話だったり、共通の知人の悪口だったりするのだが、そういうの全部につい耳を傾けてしまう。そしてそれが、脳内の押しピンで留められるというわけ。

ゆっくり湯に浸かり、思い思いの方法でくつろいで、命の洗濯をする場所、それが温泉ですよ。


さて、今回の洗濯場は、某ニュータウンに存在するスーパー銭湯の、寝湯コーナーであると思ってください。・・寝湯というのは、あたたかい岩のプレートの上をチョロチョロとお湯が絶えず流れていて、そこに寝っ転がるというスペースのことである。露天風呂のわきにあることが多く、みんなお風呂に長く浸かった後、そこに横になって、湯だった体を冷ますわけです。

洗濯人は、私の隣に横になった女2人。おそらく地元の友人同士、20代後半くらいと思われます。


A:それでね、別れるかどうするかで迷ってんの。でも別に彼のこと嫌いになったわけじゃないからさ、切り出しにくいし、向こうも別れるとか予想してないと思うからさ・・・

B:そういうの初めてなの?嫌いになったとかじゃないのに、こっちから別れるのって。

A:うん、ない。ってか、大学のときからだからわりと長いし、それより前はそんなに深い付き合いじゃなかったし。

B:そっか。何年だっけ・・(数えて)6年か。それは長いね、ってか結婚とか考えるでしょ。

A:うーん、多分向こうは、そろそろと思ってるかもしれない。

B:私もさ、学生の時からけっこう長く付き合って、結婚しようって言われて、嫌いじゃないけどまだまだ仕事したいし、結婚のタイミングはだいぶ先だなーと思ったから、別れた人いたんだよね。友達に戻ろうっていう話になって・・。でもそいつ、私と別れてすぐ結婚したの!半年とかだよ。

A:えーっ!まじで。

B:うん、招待状きた。フツー出すか!?


私(出さない。たとえ、「これからもお友達♡」なんて建前になってたとしても、出さない。なんてやつだ)


A:まあ、何か思うところがあったんだろうね。で、出たの!?まさか行かないよね。

B:行くわけないじゃん!でもさ、そのときすごい腹たったんだけど、あとで仕事しんどかったりした時さ、あの時結婚してたらどうだったかなーなんて、考えたりしたんだよね。嫌いになったわけじゃなくて、まだ好きだったし。

A:そっか・・・

B:だからさ、Aもよく考えてみてよ。別れて、彼がすぐ別の女と結婚したらどう?未練ない?

A:それはまあ、ちょっと嫌かも。でも、このまま二股みたいになってるの苦しくなってきたから、ちゃんとしてから次行ったほうがいいかなって・・


私(ほほう、どうやらAには次の男がいるようです。話の中身から推察するに、仕事先にバイトできてる年下の子で、猛烈なアタックをかけてくるらしい)


B:どこがいいの、そいつの。

A:えーっ・・あのねえ、とにかくすっごい顔が可愛いの♡ そんで若いからかもしれないけど、めっちゃちやほやしてくれる感じ。すっごい嬉しそうにしたり、すぐスネたり、それが超可愛い。彼氏はねえ、すごい誠実だし、真面目でよそ見しないし、私のことだけ好きだと思うけど、もうあんまり一生懸命いろいろ言ってくれないの。


私(それは、なんか乗り換えると後で後悔するパターンのような気がするが。。。)


B:そうなんだ。彼氏にはばれてないの?

A:うん、たぶん予想もしてないと思う。だから迷ってるの。今だったらまだ戻れるし。別に嫌いになったわけじゃないし、結婚したら普通に幸せにやっていけると思うんだよねー。


私(そうか、本人も薄々うまくいかないかもしれないって思ってて、その時戻るところが欲しいとは思ってるんだな。しかし二股かけてるのは罪悪感がある、と)


A:で、Bはどうなの。仕事まだまだ頑張るの?今は付き合ったりとかしないの?

B:うん、今は一人が楽なのかも。

A:そっか。何年くらい頑張ってどれくらいのとこまでやったら、達成って感じになるのかな。

B:うーん、わかんないけど・・・私、どうしてもやっぱり映像の仕事がしたいんだよね。

A:そういう学校行ってたもんね。でもさ、今の勤め先、全然関係ないよね。

B:いやそれが、そんなこともなくて。社長がダイビング関係のとこもやってて、来年くらいから映像の仕事も始めるらしくて、そっちを手伝わせてくれるみたいな話になってるから。


私(ほほう、それは、海中の動画でも撮るのだろうか・・)


B:だからけっこう今しんどいけど、そのうちやりたいことに繋がるって信じて、仕事頑張るよ。

A:そっかー。そんなにやりたいことがあるって、すごいね。私特にそういうのないからさあ、なんかいいなあ。このままぼーっと生きてていいのかなあ・・・

B:いやでも、大事な仕事じゃん。それに、その次の子と付き合ったら、若いし収入まだ不安定なんだし。まだまだしっかり働いて稼いでかなきゃでしょ。

A:そうだよねー・・・どうしようかなあ。


この辺でそろそろ時間となったので、私は寝湯から退散し、別の湯船で温まってからお風呂を後にしたのであった。


あの子達、あのあとどうしたかなあ。

Aさんの職業についてはよくわからなかったが、二股はいかん、二股は。でも迷う気持ちはなんとなくわかるぜ!可愛いだけの男に走るか、長く付き合った誠実だがつまらない男と結婚するのか。

しかし、そんな風に言われてる彼氏もちょっとかわいそう。次の子とどこまで深い仲になってるか知らんが、彼氏さんは別の女と結婚したほうが幸せになれそうだ。

そして、やりたいことのために男と別れたBさん。頑張ってるな。二股してる友達に対して説教モードに入らないのも偉い。いい子だ。

若い頃から憧れてる仕事と、自分に本当に向いていることは全然違うってパターンも実はあるぞ。あまり頑なにならず、ご縁のあるほうに柔軟に動いていって、しあわせになって欲しいな。


あー、若いっていいな!と、隣でアザラシ状態になりつつ、おばちゃんは思っていたのでした。

おしまい。

(その1)と書いたように、この項、そのうち続編あります。そのうちに・・・。


2コメント

  • 1000 / 1000

  • yuki*

    2020.11.29 13:15

    妄想の幻の中に、トレンチコートで「暖かい東京〜」って言ってるスーちゃんもしっかりいたよ(笑)丸の内の思い出! スニーカー買ったね。履きやすい靴履いて、またこっちに遊びに来てよ!私も北海道に行きたいなあ…。 こんな行き来しにくい時代が来るなんてね。きっとそちらは毎日仕事大変だろうね、お疲れ様。 体を大切にしてね。
  • スー

    2020.11.26 11:55

    わたしが連れて行ってもらったローズベーカリーは吉祥寺だったね!初めてのキャロットケーキ美味しかったなぁ🥕あの後は羽田空港で1回、そして最後に食べたのが今年の7月に夫が銀座店で買ってきてくれた時。 私が知らなかっただけかもしれないけど、当時こちらではあんまりキャロットケーキってなかったと思うの。今はあちこちで見かけるようになったけど思い出のローズベーカリーはやっぱり特別! あとは丸の内でスニーカー、買ったねー。 私といくちゃん、ともちゃんもだっけ😊 夜遅くまでお喋り楽しかったな〜✨