4月の初旬くらいだっただろうか、相棒のミシン(初代。ピンクのbrother PC-6000)から異音が聞こえ始めた。縫うときに、がしゃがしゃと嫌な音がするのだ。
おりしも旦那さんがリモートワーク真っ盛りの頃で。何が苦情を言われたわけじゃないし、なるべく時間もずらしたりしてたけど、やっぱり同じ部屋でうるさくすると悪いなと思って・・
初代ピンクは、私がまだ会社勤めをしている頃にボーナス払いで買ったもので、かれこれ15年以上使っていた。その間、軽く調子が悪くなったことはあったのだ、たしか。
それを、見えてる部分の部品だけ自分で調達して交換したり、パソコンの掃除用のエアダスターでホコリを飛ばしたり、そういうやり方でだましだまし、なんとか修理に出さずにやり過ごしてきた・・が、それがきっといけなかったんですよ。もっと定期的にオーバーホールに出すべきだった。
大物を作ってるわけじゃないけど、小さいものを大量に作ってるわけだから、仕事量は相当なもんですよね。ほんと、かわいそうなことをした。
それで、修理に出すことにした。
よく、ネットで調べて連絡を取って送って、見積もり出してもらってメールか電話で返事して決めて、修理終わって送られてくるのを待つ、みたいな形式のミシンメンテナンス業者ってある。ただでさえ不要不急の外出は自粛という緊急事態だから、本来ならそういうところに送るのが倫理的に正しいのかもしれないが・・
できれば直接持ち込んで、対面で状況説明や見積もりをしてくれる、信頼できるミシン専門店に頼みたい。と思った。
自分の直接知っている中で、そういう心当たりの店は一軒しかない。詳細は伏せますが、昔住んでた・・まほろ市の方にあるお店で、広告の仕事で取材させてもらったことのある店だった。まだあるかな、と思って調べたら、ちゃんとあった。よかった。
初代を買ったのはそのミシン専門店ではなくて、いわゆるオカダヤやユザワヤのような手芸専門の大型店だったが、そっちは倒産してまほろ駅前から消えてしまって久しい。
そこも当時の取引先だったので、取材なんかで出入りしている間に欲しくなってしまい、店長に相談して値引きしてもらい、ボーナス払いで買うことにしたのだ。7万円くらいだったかな、氷河期世代だから安い買い物ではなかった。独身時代に自分で買った形あるものの中で、一番高いんじゃないかな。
当時「あの子、割賦でミシンなんか買ったらしい」と周りの大人が心配していたのを後で聞かされたのだけど、何が心配だったのかは未だによくわからない。24歳女子のボーナスの使い道としてはちょっと地味だからなのか、それとも貯金してなかったことへの心配なんだろうか。
まあいろいろだろうな。信用のない若者だったのだ。
まあともかく、まほろ駅前の手芸店で、ちょっと良い目のミシンを買ったのだ。
直前に、前述のミシン専門店で大きめの仕事があり、その際「通販等の1〜2万円で買える低価格のミシンと、10万円するものとの違いは中身のモーターの強さで、安いのにはミニ四駆程度のものしか入ってないんですよ!」と店主の方に聞いたので、やはり安すぎるのはよくないと思ったんだろうな。
それにしても、ミニ四駆程度のモーターって!すごい表現だな。と、当時強烈に思ったのを覚えている。弟が昔分解してつないだりしていたけど、超ちっちゃいじゃん。
店主は本当にミシンに詳しく、その仕事を愛していて、一生懸命にミシンを売ったり直したりしている人だということがよくわかった。し、しかし、「値引きするから買いな!」とまで半ば強引に勧めてくれたのは、手芸店の店長さんの方だったんだよう。
でも、いつか壊れたら頼むのはあそこしかないと思っていたのだ。
会社勤めをしていた時は、休日に趣味程度にバッグを縫う感じだったので、正直あまり使えてなかった。活躍したのは結婚してからだ。子供服も、自分の服も、がま口屋を始めてからは色んな素材のがま口も縫いあわせてきた。
なかでも、最初の子のために作ったベビー服や靴やよだれかけや・・諸々の品のことは忘れない。一緒に燃えて空に昇ってくれたものあるし、思い出に取ってある物もある。あの時ミシンを買わなかったら、いろいろ準備して持たせてやれなかっただろう。
こんなにお世話になってきたのだから、もっと早くメンテナンスに出してあげればよかった。
電話で予約をし、間口の小さいお店なので3密の心配はないが、一応時間を決めて、保土ヶ谷バイパスを飛ばし・・15年ぶりくらいにお店を訪れた。
私よりちょっと若いくらいの女性が対応してくれた。ミシン屋さんは忙しいようだった。
このコロナ禍で仕事が減った業種の方がもちろん多いのだとは思うが、ミシン屋さんは逆で、全国から修理の依頼が殺到しているとのことだった。
2〜3週間はお待たせしてしまうんです・・と申し訳なさそうにされたのだけど、仕事で使っている旨を説明すると、ちょうど同じタイプの似たミシンで、有償にはなるけど貸し出せるのがあると提案してくれた。喜んで飛びついた。代車ならぬ、代替機である。
ほぼ機能は一緒で、色違いのブルーの子。この子も、相棒も、どっちももう廃盤で、交換を伴う修理になると、かなり厳しいらしい。
こちらを貸してもらい、部品がなくて修理できなさそうだったり、とてもお金がかかりそうだったりしたら(2万円を目安としました)、途中で連絡しますということで話がまとまった。
正直、ブルーを使ってみて、愕然とした。ミシンって、こんなによく動く物なのかと・・。
送りがしっかりしている。前の子はもう異音とかなりだす以前にこの部分がダメになってるとミシン屋さんで説明は受けていたのだけど、確かにそうだと実感した次第です。ラミネートの薄手のやつとかしか縫わないから気づかなかったけど、厚手はもう縫えない体になっていたのだなあ。
あまりに差があるので、よほど状態が悪かったんだろうなと気づいた。きっと修理にすごくお金がかかるだろうし、新しいのを買うことになるだろうなと覚悟して、楽天なんかで探したら、このタイプの最新後継機はやはり7万円くらいすることがわかった。まじかー!
そしてある日、電話がかかってきた。やはり、完全に直すのは難しいとのこと。オーバーホールのために開けてみたら、ホコリやチリなんかがすごくたくさん溜まっていて(すいません、と小声で恥じ入った)、部品を交換しないと直らない箇所も複数あり、廃盤で物理的に不可能な部分もあるとのことであった・・。
とりあえず、異音は消えて薄い物だけは縫える状態にはなったらしいが、この感じだと目安の2万円を超えてしまうので、連絡をくれたらしい。
もう、こっちとしては平謝りしたい!恥ずかしい!
本来、5年に一回くらいはオーバーホールすべきらしいのだ。それを怠って相当の状態だったミシンを、とにもかくにも開けてみて、なんとかしようと試みてくれたのだから。
ここで、ミシン屋さんから提案があった。貸してもらっていた代替機のブルーは、本来この店で中古品として販売しているものなので、買い取ることもできるらしいのだ。
オーバーホールも済んでいて問題なく使えるはずなので、もしよかったらという話。しばらく考える時間をもらったのだが、この子も縁あってピンクの代わりにここに来たのだろうと思い、ありがたくお受けすることにした。
ちなみにお代は2万5千円で、半年間の商品保証付き。フリマアプリ等だと、この機種はもっと安く売っている。けども今回の件で、きちんとミシン専門店にかかり、メンテナンスを受けることの重要性を思い知った。
ご家庭にあるミシンを個人間で売り買いするのは、かなりのリスクを伴うと思う。どんなに使い倒していても、見た目さえ綺麗で、そんなに使っていませんと主張すれば、中を開けない限り嘘をついていてもバレないんだから。「清掃整備済み」といってもどんなレベルなのかわかったもんじゃないし、専門を要する作業だとわかった今は、個人にいくらそう言われても信用できない。
売る方はいいかもしれんが、うっかり買ったら大変だ。自宅籠りの毎日で、ミシンの中古品は今高騰してるけれど、これから購入を検討している人には信用できるお店から買うことを強くお勧めしますよ。ほんと。ミシンは中身が全てです。
思い出の残るピンクも有事の際の予備機として返してもらうことにしたのだけど、直せなかったので修理代はいただきませんと言われた。何から何まで本当すいません。
これに懲りて、5年に一回はオーバーホールを頼むことにします・・。ウウッ。
さて、次回販売のお品からは、二代目相棒のブルーで縫い合わせたものとなります。最後にラインナップを軽くご紹介〜。
印鑑ケース、底タックのスクエア型、カードケースの3種類です。
気やすめマスクのプレゼントも継続します〜!(備考欄が空欄の場合はご不要と判断し、おつけいたしません。ご注文の際にご希望の旨記入いただいた方のみにお付けしているものです)
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