雨の日本橋

通知表や面談の準備等で忙しい時期だというのに、まこ先生からのお誘いが。

今年もアフリカンプリントのセットをご購入いただいたので、納品でございます。どこで会ってもよかったんだけども、せっかくなら都内に出ようかなという気持ちになり、日本橋を選びました。

あとで、なんで日本橋にしたの・・?とともちゃんに訊かれたのだが、話の成り行きとしか言いようがない。前の日に伊勢丹のセールで新宿周辺に行ったので、違う街がいいなと思っていたのは間違いないんだが。


まこちゃんはうどん部員なので、前から気になっていたうどん屋に一緒に行けたらいいなと思ったんですよ。花山うどんという上州ひもかわうどんの有名店なんだけど、都内には羽田と銀座と日本橋にしかなくてね。その日は昼過ぎまでシトシト雨という予想だったんで、銀座よりも混んでなくてぎゅっと見るものが詰まってそうな日本橋の方がいいなという話になったわけです。

しかし、完全に甘く見ていた。開店の15分くらい前には着いたのだが、既に長蛇の列であった。自分達の数人前で区切られ、入れ替え制かというくらい回転が悪く、1時間近くシトシト雨の中待つはめになった。。

雨の中、入り口近くのガラスショウケースを覗き込み、なんにするかまこちゃんと一緒に考える。動物好きのまこちゃんは、絶対たぬきの入れ物のやつにすると最初から決めていた。


で、結局頼んだのがこれ・・・

温かいひもかわうどんと、天ぷらのセット。


たぬきとめっちゃ目が合う。


美味しかったんだけども、見た目よりも量があったので、とちゅう飽きそうになる。幅が広いということは面積も広いのだ。あと、天ぷらが揚げたてではなかったのが残念。すぐに出てきたところを見ると作り置きなんだろうな。まあそれでも、場所のことを考えると値段が割と良心的だったので、あり寄り。1時間近く並んでまで食べるほどではないので、おそらく再訪はないであろう。そのとき空いてたら考える。

たぬきは間違いなく愛らしかった。

この店でうどんを待っている間に、無事納品を済ませる。まこちゃんは、もっと若い頃は本当に派手な色のものを持ち歩くのが苦手だったのだが、なんやかんや言いながら最近は、毎年チャリティイベントに参加してアフリカンプリントのセットを注文してくれる。

例年ならば夏休みに入ってからのお渡しになることが多いのだが、今年は、買ってくれた友達がわりとみんなインスタで報告してくれたので、自分も早く入手したくなったらしい(笑)皆さんもまこちゃんも、どうもありがとうございますですよ。

この日も、去年買ってくれたバッグを肩から提げ、それが映えるようにセージグリーンのリネンワンピースで現れた。ちゃんと夏コーデの役に立っているらしい。今年のバッグはどんな使い方をしてくれるのか、今からちょっと楽しみ。


さて、並んでる人が店の周りをぐるりと取り囲み行列を成してきたので、ご飯をさっさかと終え、すぐそばの日本橋高島屋の新館に入る。

365日でパンを買ったり、ソルソファームがやってる緑ものの店で植物を見たりした。まこちゃんは、わりとリビング関連の品をしっかり見る人なので(まだ新婚のせいもあるかもしれない)中川政七商店に入り、つられて一緒にじっくり見てしまった。いい包丁とか、素敵なパッケージのハーブものとかをである。

久々に模様入りのふきんなど買った。

しばらく避けていたかもしれない、中川を。おばあちゃんがまだ生きていて、元気で古民家に住んでいた頃、中川で季節の手ぬぐいや壁飾りなんかを購って送ったことを思い出してしまうから。見ると悲しくなってしまうのだ、店先に吊るしたシーズンタペストリーや、凝った織の扇子なんかを。

しかし、自分の生活はこれからも長くつづく。なんたって同年代の友人にほやほやの新婚さんがいるくらいなんだから!その事実はキラキラと輝いていて、まさに希望の象徴である。

生活を楽しくしてくれそうな品物を色々見て、楽しかった。

それから上の階に行って、土を使わない未来の鉢植えを色々を見た。まこちゃんはもうだいぶ買うつもりになっている様子だったが、こういうのは旦那さんと来た時に買いなさいよという話に。送料が結構高いので、大事に自分で持って帰る人も結構いるという。きっと夏休みに旦那さんと探しに来るであろう。

雨がだいぶ止んだので、行ってみたかったアイスクリーム屋さんに行ったら、イートインは少し待つという。名前と電話番号を書いて、違う店などぶらぶらして待つことにした。


近くにあったこのお店に入ったら、系列店だったらしく、アイスクリーム屋と制服が色違いだった。こんな可愛いお衣装で働けるなんて素敵ねえ、とキャッキャしてしまった。

カヌレと焼き菓子を買い、あとでともちゃんにお土産に分けた(わたしはブルトンヌとフィナンシェが一等いい焼き菓子だと勝手に思っているのだ。前にともちゃんにもらったブルトンヌが美味しかったので、思い出して買った)。


うろうろしてる時に、まこちゃんが今欲しいものの話になり、スパイラルにあるminaのcallに可愛い鯨のぬいぐるみが入荷したのを、インスタか公式サイトか何かの写真で見せてもらった。

3色あって、まこちゃんは最初紺か青の子が欲しいと言っていたのだけども、お腹部分の刺繍生地が可愛いのは断然グレーっぽい配色の子だったので、完璧に気にいる組み合わせが出てこない限り買わないという。この色だと鯨らしくないでしょう、という。

まこちゃんは、その動物がその動物として違和感のない、自然な配色であることにこだわりがある子で、その気持ちがすごくよくわかるのだ。例えばリバティの模様でいうと、ファーガスの鹿やリスが赤かったり紫だったりするのを、ちょっと嫌がる(私もそうなのだ。これは、たぶん生育環境に若干の共通点があるせいかもしれないと勝手に思っている)。

そうか、気に入ったのがいつか見つかるといいね、でももしかしたらこれもいい感じかも、一度見に行ったらいいじゃん、ここから銀座線で一本やで!帰りに寄りなよ!などと話した。結果は、皆さん既にご存知の通りである。思ったより鯨らしい色だったらしい。

素敵なボーナスの使い道だと思った。

そんなことを話してる間にお店の順番がきた。

可愛いアイスクリームパーラーで女子とお茶したかったのである、わたしゃ。

あまおう柚子と、しそ日向夏の組み合わせにしました。

頼む前にお姉さんに、しそと日向夏、どっちが強めですか?と尋ねたのだが、しそかなり強いですとのこと。どんなかめっちゃ気になったのでそのまま頼んだが、これが絶品であった。鼻に抜けるしその香り!また食べたい。

まこちゃんはレモンメレンゲにしたのだが、メレンゲの味が強かったらしい。レモンが強くあって欲しかったのだそうだ。・・まあ、そんなこともある。

(迷ったら店の人におすすめや味など聞いてみよう!というのが自分の習慣なのだが、昨日くらいにツイッターでタリーズのお姉さんにおすすめを聞いた男性がクソミソに貶され炎上しているのを見たので、ちょっと控えようかと思っている・・・ほなどうしたらええねん。)


アイスを口に運びながら、しばし喋ったりくつろいだりする。いつの間にか雨が止み、外は大変蒸し暑かったので、体力のない自分はちょっと疲れていた。

我々の席の外に据え付けられたベンチで、アイスを食べる親子連れの若いママさんが、後ろの可愛い店(の中の我々)と自分とアイスが全部映るように一生懸命スマホで自撮りしているのを見て、そっとカーテンの陰に隠れる。

隣で屈強そうな旦那さんが、ママとお揃いのヒラヒラワンピを着せられた女の子の口にアイスクリームを運んでやったり、口を拭ってやったりしていた。

NYのラッパーみたいな見た目だが、優しいいいお父さんだ(偏見的発言)。

さすがにこんな自撮りはしなかったが、10年くらい前には自分も子連れであちこち行って、だいぶ頑張っていたなあとしみじみする。我々が友人になってからの過ぎ去りし10年あまりのことを思った。

とちゅう親子連れが入れ替わったが、また同じようなことをしていた。

こんな雨で蒸し暑い中、おしゃれしてベビーカーに子供連れて家族で出かけてくるなんて、頑張ってるなあ・・・と呟いたら、まこちゃんがあっさりと「近所に住んでるか旅行者かでしょう」と返した。「だって荷物全然持ってないじゃん、普通あのくらいの子がいたら大きなバッグにあれやこれや詰め込んでベビーカーに吊るしたりパパが持ったりするもんでしょう。この辺のホテルに泊まってるんだよ」

言われてみればその通りだ。さすが教育従事者、子どもと親を観察する目にはかなり鋭いものがあるのだった。


そういえば、まこちゃんに会ったら聞いてみたかったのだが。スイミーの改訂の話知ってる?という話に。

あの有名な書き出しの「みんな あかいのに 一ぴきだけは からすがいよりも まっくろ でも およぐのは だれよりも はやかった。」から「でも」がいつの間にかとれていたんだけど・・なんでだろう、という話だ。「見た目が人と違う」ということと「優れた能力を持っている」のあいだに、相反性や因果関係があるみたいでおかしいから「でも」を外したのか。差別を助長しないためとかだったりするんだろうか。

他にも、「くらしてた」を「くらしていた」、「ひっぱられてる」を「ひっぱられている」などの改訂箇所があり、谷川俊太郎本人が改訂したとのことであった。なんだかリズムが悪い気もするが、正しい日本語を教えるのも大事だしなあ。(そして「きもちく」は「きもちよく」が正しいのだ!←しつこい)

まこ先生曰く、そんなことはよくあることらしい。時代に合わせて色々教える内容を変えていくのだから、先生たちも大変だ。その甲斐あってか、今の若者はきっと私たち世代よりも偏見がかっこ悪いものだと認識していそうだ。息子氏と話していてもそう思う。

NYのラッパーみたいな見た目のお父さんが、娘の口を優しく拭っている。「だが」は要らない。これが正しい。


雨だったし暑かったけども、楽しい一日であった。

それにしても、あのあとまこちゃんが本当にスパイラルに寄って、でかい買い物をしたってのがすごい。わたしゃ疲れ切って、翌日ぐったりしてしまったよ。

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